ご無沙汰しております。暑いですね。気温35度オーバーが続くと33度くらいでも少し楽に感じるくらいで、もう何がなんやらといった暑さです。
中野の家現場日記5回目になります。お盆明けついに足場が外れました。外構はまだ先ですが建物の外観はほぼ仕上がりこれから内装がメインになっていきます。
梅雨時の雨、真夏の暑さの中でも丁寧な仕事をしていただいた職人の方々には本当に感謝ですね。
今回、中野の家では「そとん壁」を使っています。
そとん壁は九州南部のシラス台地のシラスを使った天然の無機質セラミック素材で、自然素材ならではの風合いと機能性・耐久性を併せ持った外壁素材です。詳しく知りたい方は高千穂シラス株式会社さんのHPをご覧ください。
採用したカラーは淡いベージュ。仕上げは掻き落とし。
木サッシや戸袋の塗装色サンプルを作成してもらい壁サンプルと合わせたり、
当初予定していた白だと汚れが目立ってくるとのことで、実際に採用したことのある左官職人さんのアドバイスを頂きながらお施主様と一緒に検討し決定しました。
その時の様子はこんな感じです。
せっかくなので、どのように仕上げていくか写真を載せていこうと思います。
通気胴縁の上にラス板と呼ばれる下地を張り、その上に専用の防水シートを張ります。
さらに塗り材を定着させるための金網(波型ラス網)を張って下塗りをします。その時クラック防止ネットを伏せこんでおきます。写真は下塗りが終わった状態です。
養生期間を経て、上塗り、乾燥しきる前に仕上げ作業を経て完成です。
攪拌時間、塗りのスピードや正確性、適切な養生、仕上げと、左官作業は気温、湿度、お天気によって左右されるとてもデリケートな作業ですが丁寧に仕上げていただきました。白華もありません。
出隅は掻き落とすと時間経過とともにボロボロと剥離しやすくなったりするのと、クラック防止の観点から掻き落とさずにコテで押さえた輪郭取りとなっています。
エッジがきれいに出て、職人技が光ります。
仕上げの違いで色味に差がでますが、時間経過ともに馴染んでくるはずです。
出隅の仕上げ方はRをつけたり、輪郭取りをしなかったりとバリエーションがあるので、左官壁を検討されている方は設計者や職人さんに質問してみると良いと思います。
この風合いは左官ならではですね。やはりいいものだなあと思います。